ひろしせんせーのひとりごと。

44歳の脱サラ保育士ひろしせんせーが書いています。

長男、不登校になる⑬~自立支援医療制度

前回の「徒歩4時間事件」を経て、私は長男と対話をする気力を落としていました。その間、長男は学校に行くことはなく、アルバイトも採用されないため諦めてしまったようでした。ただ、事件の翌週もクリニックの予約を入れていたのですが、その日は私が家から同行することで行くことが出来ました。

事件翌週のクリニックの日は、仕事を午後休で帰宅して一緒にクリニックに行こうと前日に伝えていたため、布団から出てこないとか、その時間に出かけてしまっているとか、頑なに行きたくないと渋るとか、色々な悪いパターンを想定して心の備えをしていました。しかし、やや渋ったものの一緒に受診することができました。

先生からは、先週はどうしたのか問われましたが、長男は何も答えることが出来ませんでした。また、これから先どうしたいと思っているか、このままでいいと思っているかとも問われましたが、やはり答えることが出来ませんでした。少なくともこのままでいいと思っているわけではないとわかったのが、私にとっての救いでした。

 

ところで、この頃の長男はすでに昼夜逆転の生活は改善傾向にありました。ただ、学校に行っていない長男にとって、クリニックは唯一家族以外の大人と対話をする場所です。普通の高校生は学校や部活で先生と対話をすることで大人とのコミュニケーションを学びますが、長男はその経験ができません。先生との診察の前には長男とカウンセラーの1対1のカウンセリングがありますから、そこでコミュニケーションスキルを身に着けることが、今の長男にとっての受診目的となっていました。

私としてはこれからもクリニックに通ってもらいたいと思えたため、自立支援医療費制度の申請をすることにしました。自立支援医療費制度とは、主に継続して精神科受診をする場合に、住んでいる自治体に申請すると窓口払いが1割になる制度です。受診費用は1回あたり3,000円強。薬も合わせると4,000円近くになります。毎週通うと月に16,000円となるところ、自立支援医療費制度を使えば1回あたり1,000円ちょっと、月にしても4,000円程度に抑えられます。

すでに3か月ほど通ってしまいましたが、遡って申請することはできないため、なるべく早めに申請したいところでした。私の場合、まず先生に申請したい旨を伝えました。先生は了承してくれて、では窓口で伝えてくださいと言われました。ところが窓口で女性の方に申請したい旨を伝えると、役所の窓口に相談してくださいと言われてしまいました。役所へ行くにはまた休みを取っていかなくてはなりません。私は申請方法は役所のホームページで調べて知っている(一応社会福祉士の端くれですとは言いませんでした)ので、次に来る時でいいので先生の診断書が欲しいと端的に伝えました。すると、窓口の女性の方は制度をよく理解していなかったのでしょう、別の男性の方にバトンタッチしてくれて、男性の方は先生に確認し、次回診察までに診断書を用意してくれることになりました。良かった良かった。制度を理解していないと余計な時間を食ってお金が余計にかかることになるので注意が必要です。

次の週、無事に診断書がもらえました。中身は封がしてあるので私は見ることが出来ません。どんな診断名がついているのか気になりましたが、長男のプライバシーもあります。診断書は3,000円だったと思います。文書1枚書くだけで3,000円かと思いますが、自立支援医療用の診断書は比較的安い方ではありました。数日後、その診断書と住民票などの必要書類をもって地元の保健所を訪れました。申請書を書いて必要書類と一緒に提出するだけで、窓口でも職員の方が丁寧に書き方を説明してくれましたので、それほど時間はかかりませんでした。申請が終わると、仮の受給者証のような書類が渡されます。次回受診時には必ずクリニックの窓口に提出するように言われました。ちなみに、ちゃんとした受給者証が郵便で届いたのは、それから2か月ほど経った頃でした。

 

さて、翌週、仮の受給者証をもって長男とクリニックを受診しました。費用は予定通り、1,000円強となり、だいぶ金銭的な負担は減りました。しかしそれから数回通ったきり、クリニックからは足が遠のくことになりました。