ひろしせんせーのひとりごと。

44歳の脱サラ保育士ひろしせんせーが書いています。

長男、大学を目指す①

長男は、コロナ禍真っ只中の高校2年生の頃から不登校となり、転学を経て何とか高校を卒業しました。その後アルバイトをして社会とのつながりを持つようになりました。(ここまでの経緯は「長男、不登校になる」シリーズで。)

さて、高校を卒業してから1年が経過し、アルバイト生活も軌道に乗ってきた4月のある日、テレビを見ていると長男が突然「真面目な話をしてもいいかな」と話しかけてきました。

「大学を目指そうと思うんだけど」

青天の霹靂。急転直下。寝耳に水。私は長男はアルバイト生活ができているので「今はこれで良し」と思っていました。まだ19歳ですから、何年か考える時期があっても全然OKだし、昼夜逆転だった長男が1年やそこらで正社員として働けるようになるなんて思っておらず、少しずつ成長していってくれればいいと思っていました。まして勉強についていけずに不登校になった長男が大学を目指そうなんて、どんな心境の変化が?

私はなるべく平静を装い、「うん、いいんじゃないの」と答えました。

話していると、長男は何の勉強をどうやってすればいいのか、どんな大学を目指せばいいのか、具体的に何をすればいいのかわからないといった感じでした。じゃあまず、不登校になって辞めてしまった塾に行くことを提案しました。幸い長男に辞めてしまった負い目などはないようで、まずは私が塾に連絡を取ることにしました。

しかし、話しながらずっと私は迷っていました。今更大学に行くことにどんな意味があるのか?大学を出ても就職に結びつくわけではないし、コミュニケーションが苦手な長男が大学で友達をたくさん作れるわけでもない。何となく目指して入る大学では何も学ばずに卒業なんてことも多いにあり得る。メリットがないばかりか、受験に失敗したり、入学できても中退したりして、再び心に傷を負うリスクすらある。メリットのないリスクを目指すことにどんな意味があるのか。

その後、妻をはじめ何人かの人に長男の心境の変化について相談したところ、全員が全員、長男の気持ちを肯定的に捉えてくれました。職場の上司は、普通の高校生は「何となく」大学に行く。でも長男は「自分で決めた」。うまくいってもいかなくても、その経験は残ると言ってくれました。それらの言葉のおかけで、長男がやりたいと言っていることをできる限り応援してあげるのが親の務めだと強く思えるようになりました。

さて、塾に連絡を入れる前に、高校を中退してしまった人が大学を目指すってことは聞いたことがあるし、そういう人は実際どうやって勉強しているのか疑問に思いました。検索してみると、いくつかの予備校には「高卒認定コース」というものがあり、高卒認定試験から大学受験を目指すコースがあるようでした。さらに調べると、高卒認定を専門にしている塾もあるようでした。しかし、長男にはせっかく社会とのつながりを持てたアルバイトを辞めてまで大学受験をするのではなく、あくまでアルバイトと並行しながら受験勉強を進めてもらいたいと思っていました。そのためには自宅から近く、慣れた環境の塾に通うのがベストと思いました。

ゴールデンウィークを直前に控えた日の午後、長男と一緒に塾に面談に伺いました。これが長男の大学受験のスタートになりました。