ひろしせんせーのひとりごと。

44歳の脱サラ保育士ひろしせんせーが書いています。

長女も不登校になる②~コトのはじまり

その日は突然やってきました。長女が朝ベッドから起きてこず、学校に行きたくないと訴えたのです。

普段、明るくテンションの高い長女が泣いて訴えたので、理由は深く追求せず、その日は行かなくてよいと伝え、「明日は行こう」とだけ約束しました。ところが、約束したはずの次の日も、「行きたくない」と言って泣き出してしまったのです。

 

恐れていた日が来たことを感じた私は、仕事に遅れることを覚悟して長女と話しました。不登校の兄がいるために「行かない」という選択肢を持ってしまっていると言え、友達関係や先生との関係でどうしても行きたくない理由があるのなら仕方ないので、まずはそこを聞き取りました。幸いにも長女は長男と違い、きちんと言葉にできる子です。行きたくない理由をいくつか挙げてくれました。

それは「宿題をやっていない」とか「委員会の提出物が遅れた」とか、大人の私にとっては大した理由ではありませんでした。やはり、理由はきっかけに過ぎず、もとにあるのは「行かない」を安易に選びたくなる心にあると考えました。

 

そこで、長女にはきちんと言葉で伝えることにしました。

長男がいるために長女が学校に行くことにハードルができてしまっていること。そのため安易に学校に行かないことを選んでしまうと、これからも事あるごとに学校に行かなくなってしまうこと。そのうち学校に行きたくても行けなくなってしまうこと。行けなくなったら長男のように、学校に行くことがとても大変になってしまうこと。そして、自分で考えさせました。考えた末、自分から「学校に行く」という結論に至ることができれば、もう安易に学校に行かないという選択はしないはずです。

 

①でも書いたように、長女は「行かない」を選びたいのだけど、行かないとどうなるかをきちんと理解していました。だからその狭間で苦しんでいるようでした。もしこの日行くことができなかったら、私は心が整理できるまでしばらく休む必要があるかもしれないと覚悟していました。

 

よく話し合った結果、長女は私が学校まで付き添うことを条件に、学校に行くと言ってくれました。そこで、その日は特別に、雨も降っていたし時間もギリギリなので、車で学校まで送ることにしました。学校までのわずかな間ではありますが、車という二人きりの空間でリラックスして話し合いたいという考えもありました。

ところが、学校の近くまで行くと、長女は親に車で送ってもらうなんて恥ずかしいと言い出しました。まあ、考えれば年頃の娘なら当然です。とはいえ、登校する生徒がいない時間に送るとなると遅刻です。真面目な長女は遅刻して教室に入るのにも抵抗があるようでした。そのため、学校の前まで私が車で送り、担任の先生に迎えに来てもらって保健室に行き、気持ちが落ち着いたら教室に行くのではどうかと提案しました。長女はとりあえず納得しました。

さて、これには担任の先生の協力が必要です。さっそく担任の先生に連絡を取りました。幸いにも担任の先生は話のわかる先生でした。もっとも、不登校は学校にとって大きな問題です。「学校に行きたくないと言っていて・・・」と伝えるだけで、真剣に捉えてくれました。しかし先生も授業を持っているため、2時間目なら時間が取れるとのことでした。そこで、2時間目の開始時間に合わせて長女を送ることにしました。

 

担任の先生に連絡をしてから2時間目の始めまでは1時間弱ほど時間がありました。家に帰ってもよかったのですが、家でのんびりしているうちにまた「行きたくない」となってもいけないので、そのままドライブをすることにしました。ドライブしている間、嫌なことがあったときには音楽を聴くと気持ちが上がるよとか話しましたが、まあ年の差でしょうか、私の好きな音楽は長女に響いたかどうかはわかりませんでした。

 

約束の時間に学校へ行くと、担任の先生が校門の前で待っていてくれました。先生に長女を引き渡すわずかな時間で、我が家には不登校の長男がいるため、長女も安易に「行かない」を選択しがちであることを伝えました。心配ではありましたが、先生は何となく理解しているようでもあったので、長女を託しました。

 

こうして、何とか長女を学校へ送り届けることができました。ちなみに私はこの日、2時間有休を取って仕事に行きました。

 

③へ続く。