ひろしせんせーのひとりごと。

44歳の脱サラ保育士ひろしせんせーが書いています。

40歳おじさんの保育士資格挑戦⑧

保育士資格挑戦シリーズ8回目は実技試験後半戦です。

 

私の言語の試験時間は16時過ぎでした。最後が17時半頃に設定されていたようなので、だいぶ遅い方でした。11時頃に造形試験が終わって言語の試験まで5時間以上あるので、ぶらぶらして時間をつぶすというには時間がありすぎました。そこで、幸い私の家は十条から30~40分ほどなので、一度家に帰ってお昼を食べて、子どもと遊んで15時半頃に会場に戻ることにしました。試験中に一度自宅に帰るなど初めての経験だったので、緊張感が保てるか不安でしたが、否応なしに緊張はやってきました。

 

なお、試験の順番をどうやって決めているのかわかりません(もしかしたら私のように近所に住んでいる人ほど遅い時間を設定していたのか?)が、会場から遠くに住んでいる方は待ち時間をどう潰すか、試験科目で音楽を選択している人は空き時間に練習する場所などを考えておいた方がよさそうです。

 

言語試験は、まず食堂が受験者の待機場所でした。食堂の指定されたテーブルで待機し、テーブルごとに試験官が呼びに来て、試験会場へ案内されます。そして一際静かな試験会場のドアの前で、無言で順番を待つわけですが、このときが緊張のピークです。ジェットコースターがだんだん高いところに上がっていく感じですね。

 

緊張を和らげるには心理学で言うところの「コーピング」が必要です。試験の注意事項を頭の中でおさらいする「課題中心型コーピング」と、まったく無関係のことを考えてリラックスする「情緒中心型コーピング」のどちらかで緊張感を和らげましょう。私は課題中心型コーピングの方が合っているので、大きな声が出るようにさりげなく口を大きく開けてみたり喉のマッサージをしたり、頭の中で「三匹のこぶた」の話をおさらいしたりしていました。隣にいた方も(女性でしたが)口を開けたり閉じたりしていたので、同じことをしていたようでした。試験監督の人から見ると愉快な光景だったでしょう。

 

さて、「次の方」と呼ばれると、いよいよ試験会場に入ります。一応印象が大事なので、面接のようにドアをノックして失礼しますと言って部屋に入ります。ただそのあたりはあまり見ていないようで、荷物を壁際のテーブルにおいてイスに座るよう指示されます。私の試験官は2名で、仏のような顔をした優しそうなベテランの保育士という感じの人でした。座らされたイスの前には3~4つの子どもに見立てた子ども用のイスが置いてありました。

 

記憶があいまいですが、受験番号と名前を言ったら、お話の題名を言ってから話を始めるように指示されます。このとき試験官の手元のベルが鳴るまで話をするように言われたかもしれませんが、緊張のため記憶が定かではありません。私は「どうぞ」と言われると練習通りになるべく大きな声でハッキリと、子どもに見立てたイスに向かって話を始めました。

 

緊張はしていましたが、幸い途中で話が飛んだり、真っ白になるようなことはなく、練習通りにお話を最後まで言い切ることができました。そして手を合わせて「お~し~まい!」と言って試験官の顔を見上げると、試験官は仏の顔のまま停止していました。そのまま沈黙の時間が流れて5秒、「あれ?何だこの時間は??」と不安になった瞬間、試験官の手元のベルが鳴り、「お疲れさまでした」と声をかけられました。そうか、試験時間の3分が経過するまで子どもたちに話をし続けなければいけなかったのか。トラウマになるほど不安な5秒を過ごしてしまいました。

 

試験が終わって肩の荷が下り、晴れやかな気分で試験会場を出ると、もう外は夜でした。

 

シリーズ最終回に続きます。