ひろしせんせーのひとりごと。

44歳の脱サラ保育士ひろしせんせーが書いています。

長男、不登校になる⑩~初診

夜寝付けないのが苦しかったようで、長男は思春期精神科のクリニックを受診しました。

 

選んだクリニックは、自宅から電車で1時間の距離だったのですが、デイケアを行っているところだったので、ある程度診察に慣れてきたらデイケアに通って、長男がコミュニケーション力などを身に着ける練習をしてくれればと思っていました。

 

さて、8月下旬の金曜日。初めての受診の日、長男に朝からプレッシャーをかけるのは良くないのではないかと思い、午前中だけ仕事に行き、お昼に帰ってきました。前の日にクリニックに行くことは伝えていましたが、いつも土壇場で逃げられるので、やっぱり行きたくないなどと言わないかと不安な気持ちで帰宅しました。

昼夜が逆転している長男でしたが、パジャマのままではあったものの起きており、病院に行こうと誘うと、素直に従ってくれてホッとしました。クリニックまでの道すがら、どんなクリニックだろうか、先生にはどんな話をすればいいか、初めての受診だったので私自身も緊張していたように思います。普段から必要以上に会話をする方ではありませんが、このときは長男とほとんど会話らしい会話をせずに行ったように思います。

 

思春期精神科にも色々あるようで、このクリニックは子ども自身としっかり対話をし、その内容は親にも秘密にし(子どもの問題は親が原因ということも多いからでしょうが)、治療方針も子どもと一緒に決めるという、子ども本位のクリニックでした。この日は初回受診と言うことで、まずはカウンセラーさんのカウンセリングを長男と私と別々に受けました。私と長男と、それぞれ15分程度でした。私は長男は思いのたけを語ることが難しいと考え、与えられた時間で課題となっていることをすべて伝えようと張り切って話しました。しかし長男の抱える課題を語るには生い立ちから語る必要があり、とても15分程度で語ることはできませんでした。私と長男のカウンセリングの後、医師の診察となりました。医師は男性で、私よりも少し若い先生でした。

 

先生は長男が答えるまで気長に待ってくれる方でした。先生はまず長男に困っていることは何かと聞きました。答えが返ってこないことには治療方針が立たないため、先生は長男が答えるまで気長に待ってくれました。長男はやっとのことで最近眠れないことがあると答え、先生はそれを治すためのいくつかの方法を提案しました。また長い時間をかけ、長男は薬を使ってみることを選択しました。もちろん雑談のような会話も挟みましたが、これだけの結論に至るまでに、長男と先生との診察は30分近くかかりました。

薬はロゼレム錠という、睡眠リズムを調整する薬を処方されました。睡眠リズムを調整するというのは、薬の力で強制的に眠らせる睡眠薬とは違い、体内時計をリセットして元に戻す薬です。人間の体内時計は朝日を浴びたり日中に活動したりすることで正常に動き、夜が来ると眠くなって朝が来ると目が覚めるようになっています。長男は朝日も活動もないため、この体内時計が狂ってしまっていると考えられました。そのため、夜に1回分の薬が処方されました。眠れない症状に対して最も軽い薬物治療と言えると思います。

 

やはり緊張していたようで、帰り道は行きに比べて気楽になりました。少しだけ話をしながら帰りました。それから、受診は毎週金曜日に通うようになりました。