ひろしせんせーのひとりごと。

44歳の脱サラ保育士ひろしせんせーが書いています。

長男、不登校になる⑤~高校3年新入生

長男は、高校2年の3月で前の全日制普通科高校を辞め、高校3年の4月にサポート校併設の通信制高校編入しました。

 

しかし長男はまだ学校に行くことができませんでした。

4月2日に学力を把握するためのテストがあったのですが、一人で行くことが出来ませんでした。そこで、4月6日にあったガイダンスには私が一緒に学校まで行ってあげようと伝えましたが、長男はさすがに恥ずかしかったのか、一人で行くことにしました。

一度一人で行けたのだから、もう大丈夫だろうと思ったのですが、長男は次の週も、その次の週も、一日も行くことはできませんでした。

 

私は学校に対して過度の期待をしていました。何も心配はいらない、入学したらお任せくださいと大見得を切ったのだから、何かしてくれるのだろうと思っていました。それにこの学校に通えるのは1年間しかありません。私には焦りもありました。結果的に、それが学校に任せるという、他人任せの行動になってしまっていたと思います。

 また、この時期私は不登校や思春期の子どもに関する本を読みふけりました。学校の先生の「心配いらない」という言葉は私を謙虚にし、私をただの当事者として勉強するキッカケをくれました。

何冊も読んだ本に共通して書かれていた不登校の子どもへの対応のポイントは、だいたい以下の3点でした。

・子どもの心には休息が必要であり、学校を休むことも大切な休息。受け止めきれない現実に潰される前に、避けるという選択ができたことを認めてあげるべき。

・学校という居場所を失った子どもにとって、家庭が安心できる居場所となるために、親子関係が良い状態であることが大切。

・家庭だけで抱え込まず、ときには第三者に支援を求めることも必要。

 

私はこれらの言葉に勇気づけられ、新学期が始まって1か月ほど、学校に行かない長男にいちいち口うるさく言わないようにし、長男をよく観察し、会話をするようにしました。しかし長男は学校に行きませんでした。

本で読んだ上記のポイントは、確かに間違いはないと思います。毎日のように口を酸っぱくして長男に声をかけても、親子関係が冷え込むばかりで、長男は余計に頑なになるでしょうし、親も疲弊します。一人で悩むより第三者からアドバイスをもらった方が遥かに良いでしょう。しかし、これらのポイントには大事なことが抜け落ちています。

私の例のように、上記のポイントを実践しただけで、子どもが一人で勝手に学校に行くようにはなりません。家庭が安心できる居場所となってあげるのは大切なことですが、子どもはどうしてもその居心地に甘えてしまいます。十分に休息をとることが出来た子どもには登校するためのキッカケを与えてあげる必要があります。そのキッカケを与えてあげられるのは、親(家族)しかいないのです。

 

不登校の子と学校の話をするのは、親にとって苦しいものです。これは私が当事者だからこそわかる感情です。学校の話をすると、子どもはイライラしたり適当にごまかそうとしたりします。子どもによっては暴力やモノに当たったりすることもあります。我が家には下の子がいます。長男は下の子たちに暴力こそ振るうことはありませんでしたが、嫌がらせのようなことは何度もしました。だから「子どもを休ませてあげることも大切」などと言われると、子どもと向き合う辛さから逃れようと、ついそれに従いたくなってしまいます。そうすると、子どもにキッカケを与えるチャンスを失い、子どもはいつまで経っても学校に行くようにはならないのです。

 

1週間経っても2週間経っても学校へ行かない長男を見て、その間私は何度も学校に電話をしました。学校の先生からいただいたアドバイスは、口うるさくしても逆効果なので、親子関係が良好でいられるようにしてくださいとのことだけでした。しかしそれを実践しても何も進展が見られず、月日だけが流れていました。

 

そして2か月が経った頃、学校の先生から個人面談の提案がありました。その個人面談で先生とお話をした結果、自分の甘さに気がついたのでした。